さて、引っ越しの手伝いの合間に(あくまでも合間です、笑)、またまたプチ観光に行ってきました。 ここは、イルドフランス(パリ近郊)のアネという小さな小さな町(村?)です。
ここで見るものといえば、ただ一つ。
ディアンヌ・ド・ポワティエのお城であるアネ城(Chateau d'Anet)を見学してきました。
お城なので、一応周りはお堀になっています。
こちらが正面の門です。
ディアンヌ・ド・ポワティエは、アンリ2世の愛妾だった女性で、アンリ2世といえば、あの有名なメディチ家のカトリーヌ・ド・メディシスを正妻にしていましたが、父親であるフランソワ1世の愛人だった20歳も年上のディアンヌ・ド・ポワティエを寵愛したのです。ロワールにあるシュノンソー城も国王アンリ2世から彼女のために贈られたものです。
ということで、相当美しい女性だったようですね。ディアンヌは自分の名前の由来である狩りの女神ダイアナをモチーフにした彫刻を好んだようで、この正面玄関にも鹿と4匹の猟犬を伴った女神ダイアナの彫刻が飾られています。
中はお城というより、大きな貴族のお屋敷という感じです。
この中はフランス語のガイドツアー付きの見学のみが可能になっていて、内部は写真撮影は禁止です。
この先には広大な庭が続きます。
時間があれば、広い庭園の散歩も気持ちがよさそうです。
内部は撮影禁止なので、パンフレット冊子の写真を拡大してみました。
とにかく内部は豪華絢爛で一見の価値アリです。
こちらが寝室ですね。
ここはサロンの一間。
メインのダイニングルーム
そしてエントランスホール。
さて、歴史に話を戻しますが、正妻のカトリーヌ・ド・メディシスは、もちろんディアンヌの存在が面白くありませんでした。それにも関わらず、国王はカトリーヌをそっちのけで、ディアンヌを愛し続けました。しかし、このアンリ2世は、馬上試合に敗れ、この時の傷がもとで病床につき、その後あっけなく死んでしまいます。
さて、王の死後、支配権を握ったカトリーヌは、ここぞとばかりディアンヌをシュノンソー城から追い出し、さらに王が彼女に贈った品物のリストを突き付けて、それらを返還するように求めたそうです。
カトリーヌの住むシュモン城に移住を命じられたディアンヌは短期滞在の後、自分の城であるこのアネ城に戻り、生涯ここで暮らしたそうです。
こちらは城内にある礼拝堂。
この中は撮影が許されていました。
モザイク柄が美しいドーム。
シンプルですが、落ち着きのある素敵な礼拝堂です。
そして天井のモザイクを反射するかのように、もう一つ美しいモザイクのデザインが床に施されていました。
ステンドグラスも色は単色に近く、決して派手ではありません。
ディアンヌは67歳で死去。
城の隣に霊安堂を建てて、彼女の遺体はここに安置されました。
しかし、フランス革命の際、国王や王族に関係のあった人物ということで、彼女の墓は暴かれて、その遺体は集団墓地に投げ込まれたそうです。
実は、私はNETFLIXでREIGN(クイーン・メアリー)というスコットランド王妃メアリー・スチュワートを主人公にした連続ドラマを視聴しているのですが、彼女がアンリ2世の王太子であるフランソワと結婚し、フランスの王宮暮らしをしていた際に、このディアンヌとカトリーヌも物語の中に出てきます。そんなこともあって、かなり親近感をもってこのアネ城を見学することができました。