ランチの後は、バルセロナ在住の友人と一緒にピカソ美術館に行ってきました。
ピカソ美術館は、ゴシック地区の一角のわりと狭い通りにあります。
レンガ造りの古い建物で、中庭が素敵です。
ピカソ美術館はパリにもありますが、このバルセロナの美術館では、キュビズム時代以前のピカソの幼少期や青年期に描いた作品を中心に見ることができます。
こちらの作品はピカソ少年期の作品、『科学と慈愛』。
16歳の少年が描いたとは思えない大人顔負けの技術力と、医者と修道女を対比させた見事な構図は、ピカソ少年の大物ぶりを表していると思います。
作品名は忘れましたが、こちらは前衛期の作品。
少年期のリアリズムから進化して、ぼかしを中心にした印象派っぽい作品になっていきます。
『小人女』は、ピカソ20歳ごろの作品。
タッチは印象派に近く、明るい色遣いでエネルギーを感じさせる作品。
『待合いの女』
こちらは娼婦を描いた作品ですが、これも明るい色遣いが特徴的です。
ピカソっぽくはありません。
そして、青の時代の作品がこの美術館にはたくさん展示されています。
青の時代の静物画。先ほどと違って、全体に青色が多く使われています。
親友の自殺にショックを受けたピカソは、自身の作品に多くの青色を使いました。
こちらは一輪挿しの花。
裸婦像。いずれも青青の時代のピカソの作品の特徴で、色彩は青が中心。
ともすれっばシャガールを思わせるような幻想的な色遣いです。
他にもタイトルを忘れてしまいましたが(笑、ピカソの青の時代の作品がたくさん展示されていました。
もちろん、誰もがピカソと分かるキュービズム時代の作品もあります。
こちらは、カナルス婦人の肖像。
私は知らなかったのですが、ピカソ作品は青の時代の後に、バラ色の時代と区分される明るい配色を好んで使った時期があり、この作品はその時代の特徴的なものだそうです。
絵画作品の他にも、ピカソのデザインしたお皿や陶器、壺など、多くのものが展示されていました。
最後に、これはたぶんバルセロナのピカソ美術館に来たら、絶対にはずせないメイン作品『ラス・メニーナス』です。
これは、ベラスケスの有名な絵(下記)『ラス・メニーナス』を同じ構図を使って、ピカソが解釈したらこうなる、という試みで描かれたもので、ピカソは76歳から実に2年歳月を費やしてこの絵を完成させたと言われています。
『ラス・メニーナス』は連作で、一人、一人の人物を切り取って、ピカソなりに解釈の試行錯誤を重ね生み出されたのが上記の右側の作品群です。
その一部がこちら。
これは、マルガリータ王女。最終的にはもっと簡素化して描かれていますが、こんな風にも描いていたようです。
背景の侍女たち。
とにかく、どうやったらあのベラスケスの作品をこんな風に描けるのか。
目か頭がおかしいのでは?と思ってしまいますが(笑、やはりこれがピカソ!
他には誰もマネできない。
こちらは王女と侍女、さらに背景も描きこんでいます。
とにかく、一見の価値アリです!!