ヴィラメディチは、カーディナル・リッチ・ダ・モンテプルチアーノによって1540年に建てられましたが、フェルディナンド・メディチが1576年に買い取り、このヴィラの当主になりました。1801年までメディチ家代々に受け継がれ、その後、ナポレオンが取得してフレンチアカデミーとなりました。現在でも、フランス政府が所有しています。
さて、このフェルディナンド・メディチが愛人と過ごしたとされる場所が別館(シークレットルーム)にあります。広大な庭の奥にある小さな建物の中は、植物園さながら、壁や天井一面に、植物や動物の絵が描かれています。
当時珍しかった東洋の動物や、トド、ターキーなどアメリカ大陸の動物が数多く描かれています。
さらに別の小部屋には、いろいろな寓話をもとにした絵が一面に描かれています。
ガイドさんによると、この壁一面に描かれた絵が当時の批評家たちから、やりすぎで下品だと言われ、グロテスクという語の語源になったとか。
こちらはイソップ童話の犬の話。犬が川に写った自分の姿を見て、ワンと吠えて、咥えていた肉を落とすという逸話どおりに絵が描かれています。見ているだけで
こちらは、庭園から見渡すローマの風景。素晴らしいですね。
遠くに見える玉ねぎのようなものが、バチカンのサンピエトロ大聖堂です。
さて、広い広い庭園散歩から戻ってきました。
それにしてもこの邸宅と庭の風景は美しいです。庭の奥に置かれている多くの彫刻は、婚姻などによってこのメディチ家の別荘に集まったそうです。兄のフェルナンド1世がトスカーナ公国の君主に就任すると、邸宅内の家具の多くはトスカーナに移されましたが、庭の彫刻はこのローマの地に引き続き置かれ、メディチ家の資産家としての名声を保つことに役立てたそうです。
玄関の二頭のライオンは対になる形で置かれています。獲物を狙って、今にも動き出しそうな躍動感たっぷりの作品です。オリジナルはフィレンツェにあるそうです。
さて、邸宅の中に入っていきます。扉の上にある窓は偽物です。すべて対になるように作られたこの邸宅では、反対側には本物の窓がありますが、こちら側にはないので、絵を描いて対称になるようにしたとか。すごいこだわりです。
反対側の右側にあるのが本物の窓です。
邸宅の中に入ります。
家具はトスカーナにほとんど移されてしまったということで、あまりありませんでしたが、天井画や壁の絵はそのままになっていました。
天井は、隙間なく装飾や絵で埋め尽くされていました。
部屋自体は家具が少なくガランとしていましたが、あの係員が座るような椅子にも座らせてもらいました。
こちらは当主の部屋のベッド。そんなに大きくはありません。やはり天井画に比べると家具は質素な感じもしますね。
壁の上部には、一面に神話のエピソードにちなんだ絵が並べられています。
さて、こちらの絵は、十二星座にまつわるエピソードを題材にしたもので、この部屋の天井には十二星座の星座のキャラクターすべてが描かれています。
こちらはみずがめ座。
これは、かに座、さそり座、うお座のマーク。
おうし座、おとめ座、やぎ座
牡羊座、しし座、いて座
ふたご座、てんびん座、みずがめ座
そして、こちらの絵の中には、牡牛、乙女が描かれていたり。
みずがめ、ヤギが描かれていたり。と、十二星座の動物やキャラクターが絵の中に描かれています。何が入っているのかなー、と考えながら絵を見るのも楽しい。
当主の部屋のタペストリーです。
こちらの部屋の天井部分には絵はありません。当時はもちろん他の部屋同様に豪華絢爛な絵で飾られていたのですが、絵の内容がエロティックなものだったため、バチカン司祭の立ち入り検査の際に、取り除かれてしまったとか。。
さて、これでツアーは終わりです。
最後に入り口にあるルイ14世の銅像を見ながら説明を受けます。
1時間半ほどでしたが、貴重なヴィラメディチの内部を見ることができて、大満足です。