生誕のファザードをくぐって聖堂の内部に入ります。
生誕のファザード上部のバラ窓と彫刻。
そして、中を見てまず驚くのが、教会の内部とは思えないほどの明るさと、奇抜なデザイン、そして空間の広がり。
ガウディが思い描いていた自然の森の中にいるような明るさ、そして神秘的な世界がそこにありました。
この天井を支える柱はなんと36本あります。
当時、この素晴らしい光の空間を実現するためには多くのステンドグラスを用いる必要があること、また聖堂の構造上、多数の柱が不可欠であること、さらにそれは従来の柱のように景観を邪魔するものではならないなどいろいろな課題がありました。そして、ついにガウディは、柱、ヴォルト、天井を樹木の幹や枝のようなデザインをすることで、空間と一体化させる巨大な森の構造を考え出しました。
こんな教会を考え出してしまうなんて、やはりガウディは天才ですね。そして、それがただ設計されたというだけでなく、彼の死後、何百年にもわたって、同じ志を持つ建築家たちがその意志を引き継いで建築を進めている、本当に世界遺産だなーと思いました。
周りを取り囲むステンドグラスの色は、それぞれ色彩が異なっているにもかかわらず、それが見事に調和して、一つの幻想的な空間を演出していました。
ステンドグラスからの光は、まさに森の中の木漏れ日のようです。
場所によって、朝を表す緑~青のグラデーション、夕方を表す赤~黄色のグラデーションになっています。どれも本当に綺麗。
二階部分は、聖歌隊の席になっていて、クリスマスなどの大きなイベントの際には、実際にここに聖歌隊が入って教会内に賛美歌が響き渡るように工夫されています。
教会で一番重要な部分である主祭壇には、十字架に磔にされたキリスト像が祀られていて、その周りには50個のランプ、ブドウの房、麦などの装飾がぶら下がっています。
祭壇上部の空間には、神の存在をピラミッド型の光があります。
受難のファザードの近くには、世界各国の言葉を記したモニュメントがあります。
右上の方に日本語もありました。『私たちの日ごとの食物を、今日もお与えください』と書かれています。
そして、近代アートのような彫刻。
聖堂内には、地下礼拝堂があり、ここにガウディも埋葬されています。
ちなみに私が行ったときには、地下礼拝堂が入れませんでした。
つづく