ハトシェプスト女王の葬祭殿は、ルクソールの西側では最も見どころのある場所の一つです。というのも、王家の谷はとても有名ですが、お墓は中に隠れているので、外から遺跡として見ることができるという点では、この葬祭殿の方に軍配があがります。
遠くに見えているのが、葬祭殿です。この後ろの岩山を越えると王家の谷に繋がっているそうですが、テロがあって以来、今は地元の人にも閉鎖されています。
ここにあった木は、ハトシェプスト女王のプント国(現在のソマリアからスーダンあたりにあった国)遠征の際にこの地に運ばれてきたもので、この葬祭殿の壁に描かれていると、書かれています。
葬祭殿の手前にある守護神のスフィンクス。
こちらが葬祭殿の正面。たくさんの観光客がひっきりなしに訪れています。
葬祭殿は随時修復がなされているようで、この時も隅の方で修復作業が行われていました。
葬祭殿とこの岩山のコンビネーションに圧倒されます。こんな場所を切り開いて、よくこれだけの神殿を作ったなーと思うと、ハトシェプスト女王が統治者ファラオとしていかに権勢を誇っていたかが分かります。
外か柱を眺めるだけでも美しいですが、近くにも行けます。神殿は三階建てになっています。
1階部分の第一テラスに近寄ってみました。柱の下の方にはヒエログリフが残されています。
周囲にはギリシャ式の円柱も見られます。
中に入るとなんとレリーフに色が残っています。こちらは鳥の頭をしたホルス神に捧げものをしている様子が描かれています。
そして天井部分には空とたくさんの星が描かれています。こちらも色がかなり残っていますね。
他にも壁一面にこのようなレリーフ画を見ることができます。
二枚の羽のようなものを頭につけているのは、エジプトの国家神ともいわれるアメン神です。左側に描かれているのは、捧げものの品々。
ホルス神の隣の女性は女神でしょうか。
ところで、ハトシェプスト女王は女性ながらも、必ず自身を男性の姿で描かせたと言われています。やはり古代エジプト時代に女性がファラオになったのは、後にも先にも彼女だけであり、彼女も正当な王位継承者であっただけでは国民を納得させるのには十分ではなかったため、自身をアメン神の娘であると神官たちに告げさせて、ようやくファラオの座についたそうです。
こんな感じで、広い大広間全体にレリーフ画が残されています。
一度、入り口部分に戻って、二階に上がっていきます。
二階に上がる階段のところには、ホルス神の像があります。