さて、カルナック神殿の見どころの一つ、大列柱室にやってきました。
この大列柱室は、幅102メートル、奥行き53メートルの巨大空間に、16列に配置された合計134本の円柱が立ち並びます。その様子はまるで石の森といった感じです。
写真の向こうに見えているのはオベリスクです。
これらの円柱のうち外側の122本は高さ15メートル、円柱の上部はパピルスの花のつぼみの形をしています。たしかに円柱の上の方は、つぼみの形をしていますよね。
この大列柱室は、セティ1世によって装飾が始められ、後にラムセス2世によって完成したそうです。北側のレリーフはせティ1世によって作られ、南側部分の装飾は、息子であるラムセス2世が完成させました。
また中央の2列にある12本の列柱はアメンホテプ3世によって作られたもので、高さは21メートルあり、柱の上部分は、パピルスの花が開いた形になっています。
ちなみに古代エジプト人たちは花崗岩の一本石を切り取って多くの円柱、角柱を作りました。さらにその技巧は発展し、柱を一本の茎に見立てて、柱頭部には様々な植物の茎や花の形で表しました。特に好まれたのが、パピルスとロータスだそうです。
(写真は、古代エジプトガイドブックより)
さて、大列柱室を平面図だとこんな感じです。こう見ると、いかにたくさんの柱が置かれているかが分かります。
そして当時の様子を再現したイラスト画
この空間には、ファラオと一部の神官たちしか入ることは許されず、柱や壁にはたくさんの宗教的なヒエログリフやレリーフが刻まれていることから、おそらく特別な宗教儀式の際に使用されたのではないかと考えられているそうです。それにしても、この人と柱の大きさの対比、すごいですよね。
描かれているヒエログリフは私では解読できませんが、建造者であるセティ1世やラムセス2世のカルトーシュの他、ファラオの永遠の命を表すシンボルがそこら中に彫られています。
ちなみに柱の上の残っている天井部分の下のところにも、たくさんの
ヒエログリフが見えますよね。しかもよく見るとまだ薄っすらと色が残っているんです!
さらに壁の方に行ってみると、たくさんのレリーフ画が残されていました。
意味はよく分かりませんが、ホルス神、アメン神などの神々の姿が描かれています。
こちらの方が、上のあたりに薄っすらと色が残っています。
やはり多くの神々の姿、そして神様に捧げものをするファラオの姿が描かれているようです。
意味はよく分からないけど、一日中見ていても飽きない。
そんな場所です。
ちなみに所々に明り取りとして造られた石の窓が残されていました。
つづく