前回と同じ、パリ近代美術館で、ただいま開催中のもう一つの企画展『マティスとその娘マルグリット展』にも行ってきたので、そこで気になった作品をアップします。
この展覧会は、画家マティスが一人娘(息子は二人いる)のマルグリットを少女時代から大人になるまで、彼の一番身近にいるモデルとして描き続けたその数々の作品を展示したものです。
ここの取り上げるものの他にもたくさんの作品がありましたが、私が個人的に気になった作品をアップします。
こちらは本を読むマルグリット。色彩がとてもカラフルで、優しく温かい色合いで、まるでファンタジー空間の中にいるような背景が、個人的にとても好きな作品です。

こちらも同じく本を読むマルグリットですが、もう少しシリアスに描かれています。
こちらはとても抽象的な肖像画ですね。
ピンクと黒のストライプの中に彼女の顔や体、洋服の線が一体化するように描かれている面白い作品だと思います。マルグリットは、子供の頃に受けたジフテリアの手術の跡が喉に残っているため、長い間首に黒いリボンを巻いていました。最後の手術を受けて、この黒いリボンが取れるまでは、彼女の肖像画には必ず黒いリボンが首に巻かれています。
こちらは少女から大人になったマルグリットと友人でしょうか。庭でお茶を楽しむ様子が描かれています。首には黒いリボン。
これは、マティスがニースに移住した後の作品で、ニースのアパートの一室で、マルグリットとマティスのモデルをしていた女性が一緒に描かれています。マルグリットは、最後の手術を受けて首の傷跡が治ったため、黒いリボンをしていませんが、髪の色が黒い方がマルグリットです。
こちらもニースのアパートのテラスから、有名なプロムナード・デ・ザングレ(通称イギリス人通り)で行われているフェスティバルの様子を、マルグリットとモデルの女性が眺めている様子を描いたものです。ニースに移ってからは、色彩がモネやルノワールのような薄い色遣いに変わってきています。
こちらも私は個人的に好きな作品です。同じような色彩ですが、部屋の中の絨毯や、壁紙などがもっと細かく描かれています。
さて、こちらはニースの海岸を描いた作品ですが、これはマティスではなく、マルグリットが描いたものです。彼女も、父親譲りで絵の才能があったんですね。
美しいニースの海岸を曇りのない鮮やかな色彩で描いています。
こちらもマルグリットの作品。
彼女の絵は、マティスの展覧会の際に、一緒に展示されていたようです。
こちらも、素敵な作品ですよね。彼女は、画家としてというより、父親の助手として、イラスト集の編纂を手掛けたり、洋服のデザイナーをしたり、多岐にわたって才能を発揮しています。

とても良い展覧会でした。