海外食べ歩きブログ(レシピ付)

海外で出会った美味しいもののレシピやその他の出来事をつづったブログです

プティ・パレで、カーロイ・フェレンツィ展を見てきました。

私は、パリ市の美術館(プティ・パレやパリ市立現代美術館、ガリエラ美術館などを含む)の年間パス(50ユーロ)を持っているので、暇があれば、その都度、新しい展覧会を見に行ったりしています。普通、展覧会は1チケット17ユーロくらいするので、3回行けば元が取れます(笑。

今回は、2026年9月6日まで開催されている、ハンガリーの画家、カロリー・フェレンチー展に行ってきました。

全く聞いたことのない画家でしたが、19世紀末から20世紀初頭にかけて欧州で活躍したモダン画家の一人だそうです。モネやルノワールを思わせるような印象派の作品で、かなり私の好きな感じの絵が多かったです。ここに幾つか、載せておきます。ハンガリーでも裕福な貴族の家庭に育ったフェレンチーは、上流階級の目線で、ハンガリーだけでなく旅先の当時のヨーロッパの様子を描いています。

 

表題の写真を忘れてしまったので、本来の作品名は分かりませんが、花を生ける女性を描いた絵です。

f:id:S_tabearukirecipe:20260625041211j:image

こちらは、表題『鳥の鳴き声』。

木の上にいる鳥を見上げている女性が印象的。実際の鳥の姿が見えないところも想像力を膨らませます。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041158j:image

こちらも、表題は忘れましたが、確か、中心に座っている人が神父さんで、彼の説教を皆が聞いている、といったような場面だったと思います。優しい色遣いですね。

f:id:S_tabearukirecipe:20260625041208j:image

これは、三月の田舎の風景。朝日があたる農家の様子を描いています。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041201j:image

これは、光のもたらす効果に焦点を当てて描いた作品で、森の中でスケッチをする画家の友人(女性)を描いたもの。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041204j:image

これは、私が今回、一番好きな作品です。これも光の効果に的を絞った作品で、丘の上に立つ画家(作者自身)が描かれています。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041152j:image

残念ながら、これも表題を忘れてしまったのですが、田舎の道を小さな女子学生たちが歩いている様子が描かれています。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041155j:image

こちらは、最初、小川の風景画だと思ったのですが、次の作品を見てください。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041136j:image

実は、川で泳ぐ少年たちの様子を描いた連作でした。

f:id:S_tabearukirecipe:20260625041148j:image

こちらは、夏の昼間、優雅な上流階級の午後の過ごし方といったところでしょうか。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041139j:image

こちらはちょっと暗めですが、やはり夏の夜を別荘で過ごす貴族の暮らしが描かれています。
f:id:S_tabearukirecipe:20260625041144j:image

知らない画家でしたが、とても楽しめました。時間があれば、もう一度行ってきて、今度は、表題をチェックして来ようと思います(笑

秋の連休にバルセロナプチ旅行。

ちょっと前になりますが、秋の連休にバルセロナと郊外にプチ旅行してきました。

といっても、今回のメインは、バルセロナ近郊のジローナという町なので、バルセロナは一泊だけなんですが。

バルセロナは大好きですが、実は、何回か来たことがあるので、観光地は今回はパスします。
もし、よろしければ過去のブログをご参照ください。

 

s-tabearukirecipe.hatenablog.com

 

s-tabearukirecipe.hatenablog.com

さて、今回のホテルはバルセロナの中心地、ランブラス通りの近くだったので、チェックインしてから、旧市街のゴシック地区に散歩に行ってきました。

ゴシック地区は、迷路のように入り組んでいて、素敵なお店やお土産屋さんもたくさんあるので、歩いていても本当に楽しいんです。

f:id:S_tabearukirecipe:20251117002215j:image
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002219j:image

 

s-tabearukirecipe.hatenablog.com

 

s-tabearukirecipe.hatenablog.com

 

迷路を出ると、バルセロナ大聖堂があります。この日は、広場でライブ演奏をしていたり、マーケットも出ていたので、とても賑わっていました。
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002152j:image
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002212j:image

とてもいいお天気。さらにゴシック地区を抜けて、バルセロネッタといわれる海辺の方にやってきました。海辺沿いの港に¥は大きなボートがたくさん停泊していました。

 

s-tabearukirecipe.hatenablog.com

 


f:id:S_tabearukirecipe:20251117002145j:image

夜ごはんまではまだ時間があるのですが、ちょっと小腹が空いたので、海沿いのレストランバーに入って、Cavaと呼ばれるスパークリングワインと、コロケッタ(いわゆるクリームコロッケ)を注文しました。陽当たりの悪いパリの秋空とは違って、お日様が眩しい!!

f:id:S_tabearukirecipe:20251117002203j:image

一杯のドリンクの後は、またポツポツと散歩を続けます。
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002209j:image
広々していて、歩いても自転車でも、本当に気持ちいいですね。
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002149j:image

こちらがビーチ。
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002159j:image
さて、ゴシック地区に戻ってきました。これから夕飯の場所を探します。
スペイン人のご飯時間は、日本人の感覚とは全くずれています。だいたい昼ごはんが2時、夜ご飯は早くて9時、10時が普通です。だから、7時くらいに夜ごはんを食べたいと思っても、なかなかオープンしているレストランが少ないんです。そんな時は、タパスバーがおすすめなんですが。
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002224j:image

たまたま見つけました。タパスもあるけど、一応レストラン。
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002206j:image

とりあえずサングリアで乾杯。
f:id:S_tabearukirecipe:20251117002228j:image
途中から、仕事を終えた夫も合流したので、タパスをいくつか注文しました。
スペインならでは、イベリコ豚の生ハム(ハモン)、エビのアヒージョ、それからこれもスペイン有名タパス、シシトウの揚げ焼き(パドロン)、一番奥は、サルモレッホというガスパッチョを濃くしたようなスープです。

f:id:S_tabearukirecipe:20251213040234j:image

そして、イカ墨のパエリア!!ちょっと塩辛かったけど、美味しかったです。

f:id:S_tabearukirecipe:20251117002249j:image

お腹いっぱいなんですが、最後にデザートも食べたい!ということで、カタラン地方の郷土料理であるクレマ・カタラン。まあクレーム・ブリュレのスペイン版みたいなやつですね。こちらをシェアでいただきました。

f:id:S_tabearukirecipe:20251117002251j:image

お腹いっぱいです。ごちそうさまでしたー。

クリスチャン・ディオールの展示会(La Galerie Dior)に行ってきました!

先日、パリのモンテーニュ通りにある常設の『ラ・ギャラリー・ディオール』の展示会に行ってきました。本店に併設されたこちらのギャラリーでは、ディオールの歴史や季節ごとに変わるデザイン作品の展示を楽しむことができます。観光客にも人気が高いので、行きたい人は前もって予約必須です。(ちなみに1ヶ月前くらいから予約しておいた方が良いと思います。)

www.galeriedior.com

私は、全くファッション通ではないのですが、友人に誘われて今回、行くことになりました。

入り口入ってすぐにこちらのガラスケースの吹き抜けが目に入ります。ディオールのバッグや靴、帽子などの小物や、ドレスのミニチュアが、カラフルな色ごとに展示されていて、階を上るごとに色が変わります。脇にある階段は、帰る時に降りてこられるので、撮影スポットです(笑。

f:id:S_tabearukirecipe:20251213032318j:image

さて、まず最初の部屋ではディオールの生まれた家とか、家族構成、どうやってデザイナーになったか、パリに構えた最初のディオール店の様子などが、細かく展示されていました。

ディオール好きにはたまらない場所なんでしょうね。私が行ったときも、全身ディオールで固めたいかにもというファッションの方や、デザイナー志望っぽい人たちが熱心に見ていました。

こちらは入って二つ目の部屋だったかな?真っ暗な森のような空間に、素敵なドレスが展示されていたのが印象的でした。この展示会全体に共通していますが、ドレスのデザインだけでなく、全体の見せ方にも芸術的なセンスを感じました。f:id:S_tabearukirecipe:20251213012844j:image

このドレスも素敵ですね。

f:id:S_tabearukirecipe:20251213012918j:image

次の部屋のテーマは、『魔法の部屋』。

ディオールは、ドレスをデザインする時には、花のような女性を想像したそうです。しなやかな丸い肩のラインや細いしまったウエストを強調するような、花のように裾の広がったドレスは、当時の流行に先端を行くものでした。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012904j:image

こちらはまた別の部屋。裾の広がったドレスとは、対照的に、すらっとしたラインのシックなドレスが中心に展示されていました。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012931j:image

ディオール・アリュール(ディオールの魅力?)』と題されたこの部屋は、ドレスやスーツなどの実際の作品の後ろにある黒い壁に、ディオールが描いたオリジナルのデザイン画が動画を映し出していて、とても興味深かったです。

f:id:S_tabearukirecipe:20251213012935j:image

このデザイン画が、実際はこうなったのねー、というように見ていくことができます。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012907j:image

ここは、ディオールの書斎を再現した部屋。ここで様々なデザイン画を描いていたんですね。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012941j:image
ここは、パターン(型紙)の部屋。まずは、先ほどの部屋で描かれたオリジナルのデザイン画を元にして、ただの白い布地でパターンを作ります。これを開くと型紙になる訳です。
そして、この型紙に合わせて、素材(生地)を決めていくんだそうです。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012901j:image

また別の部屋のたくさんのドレス達。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012921j:image

こちらは、モンターニュ通り30番地にあるディオールの本店の説明です。
このエレガントなホテル様式の建物は、ナポレオン1世の隠し子だったワレフスキー伯爵によって1865年に建築されました。ディオールは一目でこの建物を気に入り、1946年の12月にここで国際的なファッションコレクションを発表し、彼の最初の店をオープンさせました。以来、この場所は、パリで最も洗練されたファッションの最先端の地として、世界中から注目を集めてきました。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012858j:image

こちらは、華やかなパーティー用のドレス。素敵ですねー❤️
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012928j:image

ここは三階建のドレス展示室で、数々の作品の展示と、その天井や壁に映し出された背景を一緒に楽しむことのできる空間です。子供の頃から、仮面舞踏会の魔法に魅了されていたディオールは、戦後の偉大な舞踏会のために多くの豪華なドレスを制作しました。ここでは、まるで宙にドレスが浮かんでいるような不思議な空間を体験することができます。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012851j:image

最後には、ディオールの小物と香水の展示。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012914j:image

全ては紹介しきれませんでしたが、見どころがたくさんあるということはお分かりいただけると思います。展示会の後には、ディオールのカフェで一息つくことにしました。ここも展示会に来た人しか入れないそうです。(外から直接来る入り口はないみたいなので。間違っていたらごめんなさい。🙏)
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012854j:image

この4つ入りのプチシューみたいものを友人とシェアにしました。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012924j:image

お値段はやっぱりディオールということで、かなりお高いのですが。

確かカプチーノが10ユーロだったかな。あとこのシューみたいなのが24ユーロとか?
まあ、たまにの贅沢だから許されるでしょう(笑f:id:S_tabearukirecipe:20251213012840j:image

外は、クリスマスのショーウインドー・デコレーション!!で、二度楽しめました。
f:id:S_tabearukirecipe:20251213012938j:imagef:id:S_tabearukirecipe:20251213032339j:image
f:id:S_tabearukirecipe:20251213032342j:image
f:id:S_tabearukirecipe:20251213032336j:image

バイヨンヌとバスク博物館

夏のバカンス回顧録の続きです。

今回は、南フランスのバスク地方にあるバイヨンヌという町を訪れています。バスク地方とは、ピレネー山脈からフランスの南西部とスペイン北部の国境の地域で、独自の言語、文化、歴史をもっています。

ここ、バイヨンヌバスク地方の中でも中心的な都市で、重要な港町として栄えてきました。
宿泊はバイヨンヌ市街のAirbnbにして、ここまでは自転車で来ました。というのも夏のバスク地方は車の渋滞がひどいということだったので、小回りのきく自転車での移動にしました。

さて、ボタニックガーデンからバイヨンヌの旧市街の入っていきます。

広々としてとても綺麗な公園でした。じっくり散策している時間はなかったので、さっと写真だけ。

f:id:S_tabearukirecipe:20251008171430j:imagef:id:S_tabearukirecipe:20251008171433j:image

公園を抜けると、バイヨンヌ城に出ました。ここは、バスク地方の重要な防衛拠点であったバイヨンヌを守るために13世紀に建てられた城塞です。今は外からしか見ることができず、中には入れません。

f:id:S_tabearukirecipe:20250920234403j:image

バイヨンヌ城のそばにあるのは、こちらのバイヨンヌ大聖堂です。

14世紀中頃に完成したこの大聖堂は、かつてはバイヨンヌ司教区が置かれたこともあり、バスク地方の宗教的な中心地として重要な役割を担っていました。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234357j:image

中はゴシック様式で、石造りのアーチ、ステンドグラスなど、典型的なフランスの大聖堂の造りです。ちょうど週末でミサが行われていましたが、それが終わったところだったので、中に入ることができました。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234420j:image

中はとても広く、ステンドグラスからの日差しがたくさん差し込んで、とても明るいです。

フランス革命時には、多くの教会や大聖堂が破壊されたり、攻撃されましたが、この大聖堂は守られました。ただし、一時的に、鳥小屋として使用されたこともあったそうです。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234347j:image

祭壇の奥は、緑と赤で装飾された天井と、宗教画、ステンドグラスの装飾が見事でした。
大聖堂の装飾には、金箔や宝石のほか、ピュターワークという錫を主成分とした合金を用いた装飾品が用いられており、この技術は多くの教会で使われているもので、職人たちの技術の交流があったことがわかるそうです。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234417j:image

こちらが主祭壇です。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234341j:image

さて、大聖堂を出て、旧市街の橋までやってきました。この辺りは、景色も良いし、カフェやレストランが並んでいます。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234410j:image

橋を渡ってすぐのところに、バスク地方の歴史や文化が学べるバスク博物館があります。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234344j:image

これ、何だと思いますか?
f:id:S_tabearukirecipe:20251116234737j:image

実は、バスク地方のお墓の墓石なんです。

奥の十字架の形のものはわかりやすいですが、丸い形のものは、墓石だと知らなければ、なかなか想像がつきにくいですよね。この丸いところに、故人の名前、ファミリーの名前などが刻まれています。

続いて、こちらは、バスク地方の典型的な家の模型です。
ピレネー山脈に近いバスク地方では、従来、農業や牧畜が盛んにおこなれていたこともあり、一階部分は、大部分がオープンスペースになっていて、奥の方は納屋につながっています。
二階には、キッチン、リビングスペースと寝室になっています。
外壁の赤い木枠組みが、バスク風家屋の特徴です。

f:id:S_tabearukirecipe:20251116234741j:image

これは家の中の様子。木製のしっかりした家具が特徴的です。
大きな振り子時計や、木製の食器棚など、素朴ながらもしっかりと地に足のついた暮らしを大事にするバスク地方の人々の気質を伺うことができました。

f:id:S_tabearukirecipe:20251116234742j:image

こちらはバスクの伝統的な踊り。フェスティバルにはこのような民族衣装を纏って、踊っていたようです。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234400j:image

バスク地方は、位置的に、スペインに近いということもあって、衣装の色や形もスペインのフラメンコや闘牛士のものに似ているように感じました。
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234406j:image
f:id:S_tabearukirecipe:20250920234353j:image

南フランス、バスク地方のシブールを散策

もう秋ですが、夏のバカンス記事の続きに戻ります。

この日は、南フランスのシブールという町に来ました。シブールは、フランスのバスク地方にある小さな港町です。

f:id:S_tabearukirecipe:20250917194210j:image

この日は、お天気が曇りで写真映りはイマイチですが、とても素敵なところです。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194141j:image
なぜわざわざここに来たのかというと、それには理由があるのです。

フランス印象派の作曲家、モーリス・ラヴェル
ボレロを作曲した人といえば、知っている方も多いと思いますが、私はラヴェルの大ファンなのです。もともとピアノ曲は知っていましたが、フランスに来るまでは、ラヴェルはあまりピンと来ない作曲家でした。が、2、3年前にフランスで上映された映画『ボレロ』(フランス映画で、残念ながら英語や他の言語には翻訳されていません)を見て、すっかり変わりました。

特に不器用な彼の生き方、音楽家としての才能の素晴らしさが、生き生きと描かれていて、さらにラヴェルの音楽もたっぷり入っていて、一気にラヴェルファンになってしまいました。

すみません、前置きが長くなりましたが、ここシブールは、ラヴェルが生まれ、幼少時代を過ごした町なんです。成人してパリに住んでからも、たびたびこの町に戻って、作曲の着想を得たといいます。そんなラヴェルの生家に行ってみたいと思い、ここへ来たわけです。

実は、この写真にも写っていますが、縦長のオランダ建築様式の右端の建物がそうです。

f:id:S_tabearukirecipe:20250917194144j:image

これです。

知らなければ、見落としてしまうくらいの普通の家ですね。
でも、ここでラヴェルは生まれ育ったんです。本当に港の真ん前にあるので、毎日、港や橋を眺めて過ごしたんだろうなー。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194152j:image

家の前には小さな看板があります。
上のCIBOURE(シブール)がフランス語で、下の文字はバスク語です(なんと読むのかはわかりません)。

この家は、シブールにある唯一のオランダ風建築の家で、1630年にエステバン・デチェートに建てられました。彼は船舶の持ち主で、商用でアムステルダムに何度も行き来しており、アムステルダム風の家を再現するためにこの家を建てたそうです。

モーリス・ラヴェルはここで生まれて、生後3ヶ月までここに住んでいたと書かれています。
ということは、幼少時代を過ごしたわけではなかったんですね。。。

ちなみに中には入れませんでした(涙
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194207j:image

ラヴェルの生家の裏側には、聖ヴァンサンという教会がありました。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194129j:image

ここが入り口です。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194216j:image

ラヴェルの生家の近くにあったので、寄ってみましたが、とても可愛らしい教会です。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194125j:image

三階建ての木造の回廊、天井から吊る下がった船の模型など、ちょっと変わっています。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194133j:image

こちらはパイプオルガン。天井も木造ですね。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194122j:image

壁には、木で造られたキリスト磔刑の場面を表した飾りがかけられていました。
f:id:S_tabearukirecipe:20250917194158j:image

教会散策の後は、近くのカフェでちょっと早かったのでアペリティフを楽しみました。
ハムの盛り合わせ、豚肉のパテ、それからブダンノワールという血のソーセージを注文しました。夫は、炭酸水、私はワインで乾杯です!

f:id:S_tabearukirecipe:20251007021402j:image





パリで、ジョルジュ・ラ・トゥールの展覧会

パリの中心部にあるジャックマール・アンドレ美術館に行ってきました。
ここは19世紀のブルジョワの邸宅を開放した美術館で、住んでいた夫妻が集めた芸術作品のコレクションのみならず、美しい調度品や豪華な造りの邸宅の隅々を見ることができる場所です。常設のコレクションも素晴らしいのですが、今回は、17世紀後半に活躍したフランス人画家、ジョルジュ・ラ・トゥールの展覧会の作品のみ紹介します。

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163132j:image

夜の画家と言われるラ・トゥールは、暗闇を照らすロウソクも灯りを巧みに用いて、非常に写実的で幻想的な場面を描いた作家として知られています。イタリアの巨匠、カラヴァッジョの後継者ということで、作風は彼の影響を強く受けていますが、実際にイタリアに行って技法を学んだかどうかは不明だそうです。

『蚤をとる女性』は、ラ・トゥールの描いた唯一の女性のヌード作品だそうで(ヌードというほどではありませんが)、ぽっこりと膨らんだお腹は、この女性が妊婦であることを示しているそうです。ロウソクの灯りが照らす女性と椅子の他には、何もない。シンプルながらも印象に残る作品です。

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163247j:image

『妻に嘲笑されるヨブ』という題のこの絵は、その名の通り、裸になって跪く惨めなヨブと、それを上から見下ろして嘲ける妻の様子が描かれています。これは、旧約聖書にあるヨブ記を題材しています一時は富裕で権力を持っていたヨブが神の教えに従ったために、短期間に子供を失い、財産と健康も失ったが、ヨブが信心を持ち続けたことで妻に嘲笑されているところが描かれており、妻はヨブに神を呪い、死ぬように促しているところです。

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163305j:image

『債務の支払い』

右側にいる髭を生やした男性が集金をしていて、その周りの男たちがじっと手元を見つめています。ここでもロウソクの灯りは効果的な役割を果たしていて、テーブルの中心にあるコインと、男の手元、そして周りにいる人々の顔を照らしていて、画面に緊張感をもたらしています。
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163312j:image

『豆を食べる農民の夫婦』

夜の画家として知られるラ・トゥールが、「昼の情景」を描いたもので、彼の故郷であるロレーヌ地方の農民、乞食、辻音楽師など戦争、略奪、疫病などで貧困化した社会の下層の人々を描いた作品の一つです。
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163224j:image

次の二つの絵は、似ているけれど別々の作品です。

『悔悛する聖ヒエロニムス』

右下に開かれている本は、カトリック教会の設立者である聖ヒエロニムスがヘブライ語からラテン語に訳したウルガタ版聖書を示唆しているそうです。ロープと十字架は砂漠における聖人の悔悛の象徴であり、聖人は膝を地面についています。

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163316j:image

全く同じ構図の下記の絵は、間違い探しのような感じになるが、左側に赤い帽子が見られる。さらに聖人は、上の絵に比べると肉付きもよく、腕に絡まる布も上質なものであることがわかる。この作品は、フランスのリシュリュー枢機卿が保持していた作品で、この帽子は彼のものであり、作品中の聖人も、リシュリュー卿本人を描いたものではないかと推察されるそうです。

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163210j:image

ラ・トゥールは、たくさんの宗教画を残しており、聖人をテーマにした作品もたくさん残っています。ルイ13世の宮廷画家として活躍しながら、その後フランスの芸術界からは忘れ去られてしまい、20世紀初頭に再発見されるまで、全くフランスの絵画史でも取り扱われたなったそうです。そのため、本人の自筆サインのない作品は、彼の工房の弟子たちが描いた作品の可能性もあり、いまだに本人のおろじなるかどうか不明なものも何点かあるそうです。

 

『聖フィリップ』

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163220j:image


『聖グレゴリー』
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163227j:image

『聖トマス』
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163243j:image

『手紙を読む聖ヒエロニムス』
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163239j:image

私、個人的には、宗教作品にはそれほど興味がありません。

ラ・トゥールの作品で私が好きなものは、これから紹介するものです。

こちらは、『新生児』または、『生誕』と訳される作品で、二人の女性が眠っている生後間もない赤ん坊を眺めています。貧しい庶民を描きながらも、キリスト生誕の場面を連想させる傑作と言われる作品で、暗い画面の中で温かさを感じられます。赤ん坊が、左側の女性が手のひらで隠すロウソクの灯りによって照らされていますが、まるで、この赤ん坊自身が光を放っているような錯覚に陥ります。

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163323j:image

『聖イレーネに介抱される聖セバスティアヌス』は、ラ・トゥールによって同じテーマで描かれた作品が他にもあり、彼のお気に入りの題材だったようです。ランタンによって照らされた部分以外は真っ暗で、ランタンの照らす聖イレーネが光を放っているように見えるのは、上記の『生誕』に通じる部分があります。実は、この作品は、ルイ13世に献上された同テーマの作品のコピーで、オリジナルは失われてしまったそうです。
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163257j:image

『悔悛のマグダラのマリア』は、カラヴァッジョやその弟子たちのお気に入りのテーマでもあり、神秘的な恍惚の場面が描かれることが多いが、ラ・トゥールは全く異なるアプローチをとっています。物思いに耽るマリアは、鏡を見つめており、鏡に映る頭蓋骨が目に映ります。逆光に照られされた頭蓋骨、ロウソクに照らされた女性の顔、白いシャツがコントラストを生み、光が罪深いマグダラのマリアの今後の人生の歩みのメタファーとして、信仰の光に導かれた女性を描き出している、ということです。

なんだかとても深いですね。ただ、そういう考察は置いておいても、なんだか印象に残る絵だなと思いました。
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163216j:image

最後に紹介するのは、『火鉢に息を吹きかける少女』。

こちらも光を効果的に使った作品ですが、上記の二つに比べると、宗教画のような神聖さはありません。少女が一心に息を吹きかけて火をおこした火鉢の光だけが、場面を明るく照らします。夜の画家と呼ばれるのに納得がいくような作品です。
f:id:S_tabearukirecipe:20251001163203j:image

いかがでしたでしょうか。普段、あまり見ることのできない作品がたくさんあって、とても興味深い展覧会でした。鑑賞の後は、美術館内に併設されたカフェでティータイム。素敵な内装ですね。

f:id:S_tabearukirecipe:20251001163326j:image

パリ近代美術館で、『マティスとマルグリット展』を見てきました。

前回と同じ、パリ近代美術館で、ただいま開催中のもう一つの企画展『マティスとその娘マルグリット展』にも行ってきたので、そこで気になった作品をアップします。

この展覧会は、画家マティスが一人娘(息子は二人いる)のマルグリットを少女時代から大人になるまで、彼の一番身近にいるモデルとして描き続けたその数々の作品を展示したものです。

ここの取り上げるものの他にもたくさんの作品がありましたが、私が個人的に気になった作品をアップします。

こちらは本を読むマルグリット。色彩がとてもカラフルで、優しく温かい色合いで、まるでファンタジー空間の中にいるような背景が、個人的にとても好きな作品です。

f:id:S_tabearukirecipe:20250806164205j:image

こちらも同じく本を読むマルグリットですが、もう少しシリアスに描かれています。
f:id:S_tabearukirecipe:20250806164212j:image

こちらはとても抽象的な肖像画ですね。
ピンクと黒のストライプの中に彼女の顔や体、洋服の線が一体化するように描かれている面白い作品だと思います。マルグリットは、子供の頃に受けたジフテリアの手術の跡が喉に残っているため、長い間首に黒いリボンを巻いていました。最後の手術を受けて、この黒いリボンが取れるまでは、彼女の肖像画には必ず黒いリボンが首に巻かれています。
f:id:S_tabearukirecipe:20250806164209j:image

こちらは少女から大人になったマルグリットと友人でしょうか。庭でお茶を楽しむ様子が描かれています。首には黒いリボン。
f:id:S_tabearukirecipe:20250806164158j:image

これは、マティスがニースに移住した後の作品で、ニースのアパートの一室で、マルグリットとマティスのモデルをしていた女性が一緒に描かれています。マルグリットは、最後の手術を受けて首の傷跡が治ったため、黒いリボンをしていませんが、髪の色が黒い方がマルグリットです。
f:id:S_tabearukirecipe:20250806164215j:image

こちらもニースのアパートのテラスから、有名なプロムナード・デ・ザングレ(通称イギリス人通り)で行われているフェスティバルの様子を、マルグリットとモデルの女性が眺めている様子を描いたものです。ニースに移ってからは、色彩がモネやルノワールのような薄い色遣いに変わってきています。
f:id:S_tabearukirecipe:20250806164222j:image

こちらも私は個人的に好きな作品です。同じような色彩ですが、部屋の中の絨毯や、壁紙などがもっと細かく描かれています。
f:id:S_tabearukirecipe:20250806164225j:image

さて、こちらはニースの海岸を描いた作品ですが、これはマティスではなく、マルグリットが描いたものです。彼女も、父親譲りで絵の才能があったんですね。

美しいニースの海岸を曇りのない鮮やかな色彩で描いています。
f:id:S_tabearukirecipe:20250806164218j:image

こちらもマルグリットの作品。
彼女の絵は、マティスの展覧会の際に、一緒に展示されていたようです。
こちらも、素敵な作品ですよね。彼女は、画家としてというより、父親の助手として、イラスト集の編纂を手掛けたり、洋服のデザイナーをしたり、多岐にわたって才能を発揮しています。

f:id:S_tabearukirecipe:20250806164201j:image

とても良い展覧会でした。