ヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念館を出て少し歩くと、フォロ・ロマーノが見えてきます。というか、もうすでに見えているけれど。
このサンタ・マリア・ディ・ロレート教会のすぐ手前の敷地には、石(遺跡の一部)がゴロゴロ転がっていて、古代ローマ帝国の足跡が感じられます。
ベネチア広場に立ってみて、一番に感じることは、この偉大な都市の様々な歴史の変遷を象徴する建物が全て一か所にあるという凄さ。。。
古代ローマの遺跡、コロッセウム、15世紀の教会、そして19世紀に建てられたヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念館のような壮大な建物が、すべて一つの場所に混在している、これは他の場所ではあまり感じることができないものだと思います。
さて、奥に見えてきたのは、広大なフォノ・ロマーノの一部です。フォノ・ロマーノは約2000年前の古代ローマ帝国時代の遺跡で、もちろん世界遺産に登録されています。
メインの観光地ということもあり、アフリカ系の移民がたくさんお土産や、アフリカのものを売っていました。私たちも買う気は全くなかったけれど、どこから来たのか、ローマには何日くらいいるのか、と聞かれ、私は無視していたけれど、夫がペラペラと会話を始めたので、大丈夫かいな?と思ってみていたところ、何やらアフリカのブレスレットを腕に巻かれていました。要らない、要らない、と言っても、友情の印!とか言って、結局タダでくれたので、これは何だかおかしいぞ!と思って、夫にはやくそのブレスレットをはずすように言って、様子を見ていました。
この人の他にも、こういうアフリカ人がたくさんいて、やっぱりブレスレットや、置物をタダで観光客にあげたりしている様子でした。
しかし、タダほど高いものはない!後で、これを持っているとお金よこせといわれるとか、警察に連れていかれるとか、そうなったらいやだなーと思って、ネットで調べてみると、どうやらブレスレットを渡している隙にスリ行為をはたらいたり、弱そうな観光客にはブレスレットを売りつけてATMでお金をおろさせるといった悪行が行われているとのことでした。私たちは、運よくタダでブレスレットをもらっただけで済みましたが、危うきには近寄らず!が一番ですね。
さてさて、気を取り直して、この下に降りることができるようなので、行ってみることにしました。後で知ったのですが、フォロ・ロマーノを見学する場合は、北側の入り口から入った方が地図などもあってわかりやすいようでした。
とはいえ、何が何やら分からなくても、その凄さは見るだけで伝わってきます。
こちらは、後から分かったのですが、フォロ・ジュリアーノと呼ばれる場所で、カエサル(シーザーのこと)のフォーラムとして作られたのだそうです。ちなみにフォロ、フォーラムは、公共広場の意味で、古代ローマ帝国時代には、このような公共の場で、演説や集会が行われており、文化的にとても重要な場所でした。このフォーラムの建設途中でシーザーは暗殺されましたが、このフォーラムの建設引き継がれて行われ、ウェヌスを祀った神殿がつくられたそうです。
その先に行くと、フォロ・アウグストゥスがあり、ここはアウグストゥス帝がフィリッピの戦いに勝利したことを記念して建てられたもので、紀元前2年に完成したと言われています。
この遺跡の目と鼻の先には、カトリックの教会が見えますし、
反対側にはヴィットーリオ・エマヌエーレ二世記念館が見える。
本当にローマの歴史が全てこの地に蓄積されているということを感じられる場所だと思います。
この春の時期は、芝生も少し色づいていて、遺跡の石と芝生の緑色のコントラストも美しいですね。
そして、このフォロ・ジュリアーノからそれほど離れていない場所にあるフォロ・ディ・トライアーノ。この地下には、神殿の地下の部分が残っていて、自由に見学することができます。
残念ながら説明はイタリア語なのでほとんど分かりませんが、当時の神殿の様子と、その図面のようなものが貼られていました。
こちらが現存の柱です。ギリシアの遺跡もそうですが、想像力を働かせると、この柱が元々の建物の極一部であり、それがいかに大きなものだったかが分かります。2000年も前にこんな建築物を作っていたことを思うと、古代ローマ人の文明度の高さを改めて実感しますね。
フォロ・ロマーノはまだまだ続きます。