先日、ルーブル美術館に、ナポレオン3世の居室を見に行ってきました。
ナポレオン3世の居室はルーブル美術館のリシュリュー翼の2階にあります。ナポレオン3世は、ナポレオン1世(ナポレオン・ヴォナパルト)の甥にあたります。ナポレオン失脚後、フランスはいったん王政に戻るものの、その後、第二共和政へ移行し、この時大統領に選出されたのがナポレオン三世です。
ナポレオン3世時代のプティ・アパルトマンと書かれていますが、プティ(小さい)なんてとんでもない!結構広いです。そして、なんといってもその豪華さ、優雅さはベルサイユ宮殿にも匹敵するほどです。今まで、ルーブル美術館には何度か来ていましたが、ここは初めてで、今まで知らなかったなんてもったいなかったなー、というくらいの見どころだと思いますので、皆さんもルーブル美術館に行かれる際は、ぜひここにも立ち寄ってみてください。
まずは入り口。ベルサイユ宮殿を思わせるような豪華な造りと装飾品の数々。
このアパルトマンは実際にナポレオン3世が暮らしていたそうですが、一般公開がずっとされていなかったため、保存状態も良好だということです。ちなみにナポレオン三世は豪華絢爛かつ快適な部屋を好んだことで有名です。
こちらの廊下も豪華絢爛です。でもこれはまだ序の口です。
ピアノのある部屋はサロンですね。ここで音楽を聴いたり、おしゃべりをしたんでしょうね。まさにベルサイユ宮殿の一角といった感じです。
サロンの反対側には事務机が置かれています。
これが大広間の大シャンデリアです。この室内装飾は第二帝政時代様式というそうです。ベルベットのソファーも素敵ですが、もちろん座ることはできません。
この大広間は広いので、一枚の写真には収めきれないほど。こちらも豪華な調度品の数々。
この大広間はナポレオン3世のアパルトマンの中で一番大きな部屋で、この部屋は場合によっては演劇のサロンの方に向けて11列の観客席を設けて、劇場に変更することができたそうです。
ナポレオン3世がルーブル宮とチュイルリー宮の結合という大計画を打ち出し、その任務の実行にあたったのがアシル・フルドという担当大臣でした。彼は自分の趣味をもとにこのナポレオン3世の居室内の装飾を手がけました。
これは大広間の天井画を下から撮ったものです。アシル・フルドによって制作を依頼されたシャルル・マレシャルによるものです。
大広間を飾るこちらの絵(下の写真)の中心に描かれている男性は、ルネサンス文化を擁護したことでも知られるフランス史上の重要人物フランソワ1世です。以前に見に行ったフランソワ一世展でも肖像画を見ましたが、確かにスペイン系の血が入った長い鼻、黒いひげが特徴的で、ここに描かれている人物と一致します。
こちらは演劇サロンの上の天井画です。オーギュスト。ジャンドロン作の『花の四季』。
中国陶器の壺も飾られていました。
先に進みます。ここは大広間から大食堂に抜ける廊下の部分に設けられた小さな空間ですが、壮大な絵画によって、広々とした空間が演出されています。
そしてこれが大食堂です!大きなシャンデリア、何人座れるのか分からないほどの長い長いテーブル。映画で見るような晩餐会が開かれていたんでしょうね。
大食堂を横から眺めたところ。
これでナポレオン3世のアパルトマンの見どころはおしまいです。部屋数はそれほど多くはありませんが、これだけ豪華な居室が、美術館の内部にあるということが驚きです。さすが、ルーブル美術館ですね。
もちろん特別チケットはいらないので、この後も普通に常設展を見ることができますが、今日はこの辺りで失礼します。
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